2020.10.08

クリス-ウェブ佳子さん ヴィーガン弁当という長女の小さな改革

一日一食はヴィーガンに。お弁当箱に詰められた小さな意識改革。


Instragram: @tokyodame

佳子さん:今春から高校に通い始めた長女(新音さん)は、自分で作ったお弁当を持って登校しています。そして「一日一食は食物連鎖のトップに立たない」と自分で決め、今春からランチヴィーガンを始めました。お弁当のメニューもレシピも彼女が自分で考え、朝5時半には起きて、朝食とともにせっせとお弁当を作っています。

彼女がヴィーガンに興味を持つようになったのはイギリスに住む親戚家族がきっかけでした。次女が5歳になってからの毎夏、娘たちだけを飛行機に乗せてイギリスの祖父母の家に滞在させてもらっていました。その折にヴィーガン食というものに初めて触れ、幼くして健康意識が芽生えたようです。イギリスの親戚家族にとても可愛いベジタリアンの三姉妹がいて、幼心に憧れもあったのかな。そういった経験からか、娘たちは幼い頃からおやつにセロリやキャロットスティックなど、身体に良いものを自ら選んで食べていました。

新音さん:最初にヴィーガンの人たちの食生活に出会った時は「大変そうだな」って思いました。私自身、お肉もお魚も好きなので、好きなものをわざわざ食べない努力をする意味が分かりませんでした。

佳子さん:長女がヴィーガン志向に目覚めた一番のきっかけは、2019年に南米アマゾンで起きた大規模な森林火災でした。海外のニュースサイトで関連記事を読んだ彼女は、この事件の原因が単なる気候変動によるものではなく、森林が農地に転換された人為的原因が根底にあることを知り、畜産業がどれだけ地球環境に悪影響を及ぼしているのかを真剣に考えるようになったと言っていました。

新音さん:世界の温室効果ガスの総排出量のうち14%は畜産業が原因※だと言われています。アマゾンでの熱帯雨林火災がなんだかずっとトゲみたいに心に引っかかっていました。もともと一日一食のヴェジタリアンだったんですけど、熱帯雨林火災の背景を調べるうちに思い切って一日一食のヴィーガンに切り替えました。私の小さな意識変化でも、何かしら社会の変革に貢献できたら良いなと思って。
※地球温暖化ガス、熱帯雨林火災ついて参照:Food and Agriculture Organization of the United nations

周りの友だちも興味津々。メニュー豊富なヴィーガン弁当


Instragram: @tokyodame

新音さん:最初の頃はヴィーガン弁当について「うさぎのエサみたい」って友だちから言われたりしました(笑)。でもエスニック料理に興味がある子たちは「美味しいね」って言ってくれて。実際に私のお弁当を食べると、「うさぎのエサみたい」って言っていた友だちも「意外といけるかも」と気に入ってくれています。

佳子さん:長女は料理が得意なんです。だからお友だちも“美味しい”を体験してみて、ヴィーガンに対するイメージが変わるのかも。フムスや雑穀、押し麦のピラフなど、自分で作り方を覚えてオリジナルのレシピをどんどん増やしたり。栄養バランスもすごく考えていて、砂糖の代わりにデーツを使ったり、植物性のプロテインパウダーも使ったりと。私よりも長女の方がヴィーガン食品に関してはずっと詳しいかも!「Kitchen Stories Recipes」というヴィーガンレシピも教えてくれるクッキングアプリがあって、それを参考にするなどして、「明日はこれを作りたいから」とLINEで材料のリストが送られてきます。買い出しは私の役目。スーパーの他にもネットを利用して、以前よりずっと材料の購入も楽になりました。

野菜の水分で唇は乾燥知らず


Instragram: @tokyodame

佳子さん:ニューヨーク在住時、私もヴェジタリアン生活を送っていたことがあったんです。でも当時のヴィーガンは今よりも宗教的なイメージが強くて、少し煙たがられることもありました。20年を経て、今また娘に引っ張られるように健康面でヴィーガン食を取り入れるようになったのですが、てきめんです。動物性タンパク質も毎日摂取するけれど、野菜の量がぐっと増えたことで栄養バランスが改善され、体調管理も以前より良好です。野菜は水分量が多いので水を欲する以上に飲まなくとも、ここ数年は唇のかさつきを感じたことがありません。私自身も生理前に心が乱れる時があるのですが、そんな時はお肉の量を減らし、野菜中心の食生活するなど、食事で栄養と心のバランスをとっています。

新音さんヴィーガン食は健康にも環境にも良いと思います。「良いことをしている」と実感することで自分に対しての肯定感も向上したし、環境にとっても自分にとっても幸せな決断だと思っています。友だちにもヴィーガン食を取り入れている子がいて、学校でも環境問題はもちろんのこと、サステナビリティに関するニュースなどが日常的に話題にのぼります。ヴィーガンライフを通して、そんな価値観を共有できる友だちが増えていくことが嬉しいです。

クリス-ウェブ佳子 (Yoshiko Kris-Webb)

島根県出身のファッションモデル、コラムニスト、ラジオパーソナリティ。 夫は、PRエージェンシー COMMUNION社長のイギリス人だったが離婚。 娘は、ファッションモデル、女優の新音。

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