2020.07.16

日本文学者 ロバートキャンベル氏 インタビュー後編 ヴィーガンは世界とつながる入り口となる

ヴィーガンは世界とつながる入り口となる

―こんなPurple Carrotを作って欲しい!

現在、Purple Carrotには主食、メインになるメニューが多いのですが、副菜のキットがあれば嬉しいなと思います。例えば、今日はお肉を焼く、煮魚を作る、などメインが決まっている時に、そのサイドメニューとなるようなもの。デリショップでもたくさん副菜は売っていますが、サラダでもプロシュートが入っているなど、動物性タンパク質があるものが多いんです。Purple Carrotで副菜キットがあったら、喜んで頼むと思います。副菜の場合はアレンジなしで使いますよ(笑)

また、私はお酒も好きなので、よくホームパーティーなどを開くのですが、そんな時に「おつまみヴィーガン」があったらいいな、と思います。もしお酒に合うスナックがヴィーガンだったら罪悪感が少ないかな、と(笑)。もう私くらいの歳になると飲んだ後の〆にラーメンなんて発想が全くない。飲んでいる途中から、明日の頭と身体の状態が気になったりするので、そんな時、おつまみがヴィーガンだったりするとすごく安心感があるなと思います。胃にも優しい料理と一緒だったら、友だちと飲む時間ももっと豊かになる気がします。

 

―生命力ある野菜のギフトで想いを伝える

私が以前、大きな病気をした時、友だちが福岡から美味しい鰻屋さんの鰻を空輸で送ってくれたことがありました。それがものすごく嬉しくて。その友だちの優しい心づかいは今でも忘れられません。友だちや知り合いが「少し元気ないな?」「体調悪そうだな?」と思った時に、Purple Carrotのギフトを贈ることができたら、すごくその想いが伝わるのではないかと思うんです。例えば、友だちが体調を崩した時、気持ちのバランスがぐらついた時、また出産を控えた妊婦さんに食品を贈るときは迷うことが多いですよね。ヴィーガンキットだったら、押し付けがましくなく、自然と笑顔で食べてくれる気がします。

 

−ヴィーガンの食文化で世界をつなぐ

グラタン、ミートソースなどこれまでのPurple Carrotのメニューはどちらかと言うと、これまで日本人が食べ親しんできたメニューをベースにしていますよね。もし、そこにトルコ料理やギリシャ料理なども登場したら、それはまた嬉しい驚きになるのではないでしょうか? たとえば、トルコ料理にもたくさんのお野菜が使われているのですが、日本ではあまりポピュラーではありませんよね。ヴィーガンとトルコ料理、どちらもまだマイナーな存在ですが、掛け合わせることで双方のファン、あるいは新しいお客さんにその魅力を広めることができるかもしれません。日本には各国の料理のトップシェフがたくさんいます。その方たちにゲストキュレーターになってもらうなどすると、ヴィーガンが世界の食文化を繋ぐ役割にもなってくれると思います。

 

−食のパラダイム・シフトにヴィーガンができること

アメリカのワシントンに「Tables Without Borders(国境なき食卓)」というNPO団体があります。そこは難民、または難民申請中のシェフを、有給インターンとして一流のレストランに招き、その国の料理をメニューの1つとしてお客さんに提供する取り組みをしています。これは難民の人たちがアメリカで安定した職を手にするだけではなく、その料理を食べたお客さんに異国文化への理解を促し、難民の人たちへの共感を生む機会にもなるんです。

世界の社会問題に全てを捧げて向き合うことはとても大変なことです。しかし「食」を通して、世界が抱える課題や、不安定な状況の国に住んでいる人たちのため、想像力を持って行動することはできるかと思います。Purple Carrotは美味しいヴィーガンを提供してくれるのはもちろんですが、世界、または社会をつなぐ入口になることもできると思います。

 

−ヴィーガンがノーマルとなる時代

有機野菜を使うことやPurple Carrotを選ぶことは、経済的に見るとコストがかかりますし、「SDGs」などを意識し、持続可能な未来のための食を選択する生活は、まだまだ一般化されているとは言えません。しかし、ただ単に食べるという行為だけではなく、毎日の食卓を通して、そのお野菜を作っている人たちを知り、またその未来を想像するきっかけになると、視座が広がり、より重層的な価値を生み出しますよね。
また新型コロナにより、私たちは新しい生活様式を自分たちの手で築き、生きていかなければいけません。この何カ月かの自粛期間でも、人の価値観、期待値は変わってきています。今までは外で食べていたものが、家庭料理に反映されていましたが、これからは家で食べている健康的な料理が、外食に影響を与えるのではないかと思うんです。そんなパラダイム・シフトの起爆剤としてPurple Carrotは大きな役割を担ってくれるのではないかと期待しています。

 

ロバート キャンベル(Robert Campbell)

日本文学研究者。 国文学研究資料館長。 近世・近代日本文学が専門で、とくに19世紀(江戸後期~明治前半)の漢文学と、漢文学と関連の深い文芸ジャンル、芸術、メディア、思想などに関心を寄せている。

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