2020.06.25

フードデザイナー福原歩さんインタビュー前半 日常の先に続くヴィーガン料理を楽しむ

―野菜料理の原風景は母の食卓

小さい頃から野菜は好きでした。母親が料理に野菜をたくさん使う家庭でしたので、自然と野菜を食べる習慣がついていたのだと思います。食卓にはお肉やお魚も出ていましたが、同じ位、お野菜料理も作ってくれましたね。とにかく品数を多く作ってくれた記憶があります。母は「料理は好きじゃない」って言っていましたが、それでも毎日たくさんの献立を考えてくれて、おかげで小さな頃から好き嫌いない子だったと思います。

 

―手探りの中、初めてメニューに出したヴィーガン料理

ヴィーガンとの出会いは、カフェで働いていた時。8、9年位前、ヴィーガンという食生活が少しずつ話題になってきた頃でしょうか。お店のメニューに加えようと、色々と試作したのを思い出します。お野菜だけのトマトソースパスタや、ビーツや果物が入ったサラダなどを出していましたね。「ヴィーガン料理を作ろう」と意識すると、少し敷居が高くなってしまいますが、「お肉やお野菜を使わない普段のお料理」と思うと、普段の延長線上でレシピを考えることができるので、そこまで難しいとは思いませんでした。しかしデザートに関してはやはり色々と調べましたね。どうしたらチーズのクリーミーさを出せるのか、何で固めるのかなど、初めて知ることが多くありました。お豆腐のティラミスは、カシューナッツやアーモンドミルクでコクや甘さを出すのですが、当時はまだ情報も少なかったので、何度も試作しました。お客さんたちは普通のティラミスを想像して食べていたので、「え?」という驚きの様子でしたが、おかげさまで好評をいただいていたと思います。

 

―時々ヴィーガンは「今」の世の中に合っている

何でも手に入れられるし、何でも食べられる時代なので、完全なヴィーガンとして過ごすことはなかなか難しいかもしれません。外食するとやはりお肉やお魚が入ることが多いですし、だからと言ってすべて自分で作るのは骨が折れる。そんな時だからこそ、選べる自由さがある「時々ヴィーガン」という食生活が人気になってきているのだと思います。私の周りでも、家で作る際はお肉を使わず、外食の時に好きなものを食べる、という「時々ヴィーガン」のライフスタイルを実行している友だちが多くいます。

 

―「ヴィーガン料理だから」ではなく、「美味しいから」選ぶ

私はお肉、お魚、野菜とバランス良く食べたいので、あまりヴィーガンを意識してはいませんが、友だちとご飯を食べに行く時、それがたまたまヴィーガンのお店だったりすることがあります。それは「ヴィーガンレストランに行く」と確固たる意志があるわけではなく、美味しいものを食べに行こうと思ったら、それがたまたまお野菜だけのお店だったというだけ。「ヴィーガンのために行く」というより「美味しいものを食べたい」が私の優先順位なんです。その意味ではPurple Carrotのビビンバは味自体がすごく美味しい。日本人に合う味付けなので、子どももぱくぱく食べてくれますし、豆腐そぼろは夫がお肉と間違えるほど、しっかりとしたコクと歯ごたえでした。そういう意味では、Purple Carrotはヴィーガンになりたいから食べるでは、美味しいから食べるという食事だなと思います。

 

Food Designer 福原歩(ふくはらあゆみ)
フードデザイナー/スパイス香辛料アドバイザー/薬膳アドバイザー。
19歳で料理の専門学校を卒業し、高級フランス料理店、イタリアン、カフェ、シーフード料理店などに携わる。
その後、カフェの料理長やメニュー開発などを経て、現在はフードデザイナーとして活動中。

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